新米の一歩目

就職をきっかけに本当にやりたいことを見つけた新卒、映画の魅力を人に伝える仕事のために邁進!アメコミ、映画、海外ドラマ、ゲーム、散歩、いろいろ好き。

【アメコミ感想】シビル・ウォーⅡ

シビル・ウォーⅡ

 

 

あらすじ

 インヒューマンズが放った神秘の霧「テリジェン・ミスト」により、また新たなインヒューマンが誕生した。

 

 その少年ユリシーズが開花されたのは未来を幻視する力。

 

 あらゆる犯罪、脅威を未然に防ぎ得るその力を巡って、ヒーローコミュニティは紛糾する。

 

 少年の力を有効活用し、より良き社会を目指す者。善悪の判断を他者に委ねる行為の危険性を訴える者。

 

 せめぎ合う両者の主張は、少年が予知したある事件への対処策をきっかけに、ヒーロー同士の対立を生む。第二のシビル・ウォーを。

 

 話題作『シビル・ウォー』第二弾、ついに登場!

 

君はどちらに付く?

 

本書より引用

 

ネタバレあり

概要

 こんちは!Shoindyです!今回紹介するのはマーベル界…いえ、アメコミ界に衝撃を与えたあの問題作シビル・ウォーの続編、「シビル・ウォーⅡ」です。シビル・ウォーにて争われた答えのない問題は多くの犠牲を亀裂を生みました。そして今回の問題もまた、簡単に答えを出してしまう訳にはいかない難題となっており、そしてやはり多くの犠牲を生み出します。

 

 

そもそもシビル・ウォーって?

 本題であるシビル・ウォーⅡの話をする前に、その10年間に展開されたコミックイベント「シビル・ウォー」についてお話しましょう。

シビル・ウォー (MARVEL)

 

 MCUにて映画化もされた「シビル・ウォー」は、コミック、映画と共に「ヒーロー登録法案」の是非について問われてきました。ここではコミックをメインに話を進めましょう。若手ヒーローチームがヒーロー活動をテレビショーを行っていた最中、戦闘中に大規模な爆発を引き起こしてしまいます。今でいうYoutuberですね。不幸な事に、爆発した戦闘エリアの近くには幼稚園があり、多くの幼い命が失われてしまいます。

 それをきっかけに、アイアンマン主導で進められたのが「超人登録法」。ヒーローを政府の機関に組み込み、正体や身分を登録し、管理しようという法案です。そしてキャプテン・アメリカはそれに反対し(スーパーパワーを用いて暴れまわるヴィランに対し政府のGoサインが無いと動けなくなることの危険性があったため)、彼と彼について行ったヒーローは政府に反対する犯罪者としてその身を追われることになりました。

 この争いにおいて、夫婦関係の崩壊や、死亡、歴史の改変に手を出す蜘蛛など多くの余波が引き起こされました。ヒーロー同士の関係が修復されたのはかなり後になりました。

 

 

 

 

未来に犯罪を起こす者は犯罪者なのか?

 さて、話をシビル・ウォーⅡに戻しましょう。今回論争になるのは見出しにもある通り「未来予知による犯罪の防止について」。Ms.マーベル(カマラ)などが誕生したテリジェン・ミストの影響で誕生したインヒューマン「ユリシーズ」の能力が上記の「未来を予知する能力」であり、さらにその予知を周囲の人間も体感できるというものでした。その予知はかなり正確で、超宇宙的存在の襲来を事前に予知し、ヒーローが反撃ではなく、準備して立ち向かえる状況を作り上げました。

 正直、この主題には目新しさがありません、本書解説書にはマイノリティ・リポートが例に挙げられていましたし、たしかMCU内に登場したトリスケリオンの性能もそんな感じでしたね。

 

マイノリティ・リポート (字幕版)
 

 

この論争の重要な点はその予知の正確さと、未来という概念の扱い方が重要になってきます。予知は100%正確なのか?その予知を知ったうえで回避する動きをすれば回避可能なのか?その点がはっきりしないと論争にもならないように思えます。ちなみに、ユリシーズの予知は100%ではなく、あくまで超正確なプロファイリングです。では争いにならないのでは?と思いますが、その事実をスタークが導きだしたのは物語の中盤で、引き返せない位置にありました。

 

悲劇が起き、争いが激化する

 シビル・ウォーⅡではアイアンマンとキャプテン・マーベル(キャロル)が対立することになります。未来主義者であるスタークは、未来主義者であるがゆえに予知を信じすぎる事の危険性を感じ、キャロルのやり方に反対していました。ちなみに今回キャップとは争いません。スターク曰く「君と倫理を論じても、喧嘩別れが関の山だ」とのこと。よくわかってらっしゃる(笑)

 そして、ついに悲劇が起きます。事の発端はユリシーズの予知によるサノスの襲来。キャロルはすぐさま戦力をあつめ、サノスに挑みます。しかし、そこで予言に無いことが起きてしまうのです。それは…ウォーマシンの死。それは、キャロルの恋人の死であり、スタークの親友の死を意味していました。これを機にスタークはキャロルに激怒。さらに畳みかけるようにユリシーズによるハルク暴走の予言がなされます。

 ハルクの予言は第二の悲劇を呼び起こしました。それは…バナーの死。ヒーロー達は予言を元にバナーの元に集まりました。1年以上ハルク化していないことを主張するバナーの処遇を争うスタークとキャロルの目の前で、バナーの脳天に弓矢が突き刺さります。殺害したのはクリント・バートン…ホークアイでした。

 クリントはかつて、ハルク化した時に自信を殺害するようバナーに頼まれていました。クリントはバナーの瞳に緑の閃光が走ったのを感じ、彼に弓を放ったのでした。

 多くの戦友を失い、親友を失ったスタークとキャロルの緊張状態は最高潮に高まっていました。そして、やがて多くのヒーローを巻き込んだ大規模な戦闘へと発展します。

 

まとめ

 この後にいくつか展開があるものの、大まかな流れは上述したものとなっています。

解説書には”営業的(MCUの影響によるインヒューマンメインのストーリーである事)”や第一弾程の成功作ではないといった評価が下されており、確かにおおむねその通りだとは思いますが、そこまで言わなくてもいいかな、とは思いました。

 シークレット・ウォーズ後の今時なアース616が楽しめる面白さ(マイルスがいたりする)や、今後起きるチャンピオンズの結成やシークレット・エンパイアなどの予告をユリシーズの予知にしたのはアイデア的にも面白かったです。また、ちょっとMCU感のある掛け合いなども目新しかったです。しかしながら、主題である戦争に関しては争いのを成しておらず(ユリシーズの予知がただのプロファイリングの時点で破綻している)、心からの争いではなく、キャロルが引くに引けなくなって暴走しているように感じました。さらに、キャロルサイドについたガーディアンズなどが心から意見をもってキャロル側についている訳では無いので、スタークの結末を考えると、1の時ほど尾も引かなそうであり、あっさり気味だったように思えます。なので、あくまでこの論争の答えを読むには微妙ですが、コミックを読むには非常に楽しめると思いました。

 

 

 

 

 

シビル・ウォーⅡ

シビル・ウォーⅡ

 

 

 

 

【アメコミ感想】ヴィジョン2

ヴィジョン 2

 

 

あらすじ

 ある事件で過去の記憶にまつわる感情を消去したヴィジョンは、人間性を回復するべく、シンセゾイドの「家族」を造り、ワシントン郊外で《普通》の生活を始めた。

 ヴィジョンがアベンジャーズの任務に従事する傍ら、娘のヴィヴと息子のヴィンは地元の高校に通い、妻のヴァージニアが家事を取り仕切る。往年の典型的なアメリカ人らしい彼らの生活ぶりは、一家を奇異の目で見つめていた隣人にも受け入れられていくが、因縁の宿敵グリムリーパーの襲撃を機に、歯車は狂い始める。

 娘を傷つけたグリムリーパーを殺害してしまったヴァージニアはその事実を夫にも秘密にするが、偶然、死体隠蔽現場を目撃された挙句に脅迫され、そのもつれから、ヴィヴの同級生の少年を死なせてしまう。さらに秘密を重ねる結果となったヴァージニアは変調を来し始め、残る3人の頭上にも黒い雲が広がり始める。

 そして、偶然から一連の事件の真相を知ったヴィジョンは、それでもヴァージニアに理解を示し、家族の生活を守り抜こうとする。そう、今のヴィジョンにとっては家族が全てなのだ。たとえ自らの信念を曲げようとも……。

 驚愕のストーリー展開と類を見ないテーマ性で読者を翻弄し続ける、21世紀のマーベルコミックス最高傑作、ここに完結。

 

本書より引用

 

概要

 こんちは!Shoindyです!今回紹介するのは先月ご紹介した「ヴィジョン」の続巻にあたる「ヴィジョン2」です。表紙から不穏…というか考えられるものとなっております。ゴミ箱に捨てられているヴィジョンと、刻まれる墓標の一文。シンセゾイドは魂のある存在なのか、物なのか……

 さて、前作でヴィジョンは、ヒーローであることや、シンセゾイドであることの枠を超え、一個の存在として家族を守るためにあらゆる一線を超えました。今作ではその決意を抱いたヴィジョンの元に”弟”であるヴィクター・マンチャが訪れます。

 ヴィクター・マンチャというキャラクターは今作が初登場ではなく、ドラマ化もしたコミックシリーズ「ランナウェイズ」に登場したキャラクターです。第二期からの登場ですね。ヴィクターは他のランナウェイズとは違い、親が「プライド」のメンバーではないのですが、同じくヴィランの息子という立場として登場し、メンバーになりました。その親はもちろん…ウルトロンです。

 

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虚構の平穏と真実の愛

 ヴィクターは叔父として歓迎され、見事に家族に馴染みます。未だ不安定なヴァージニアの話を聞き、ヴィンの思春期な相談に乗る(ここのヴィンはもう完全に思春期の男の子ですね)、そして、ヴィヴと共に亡きクラスメイトのお墓参り。こうして、今となっては周りの誰からも歓迎されなくなったシンセゾイドの一家に温かさが訪れるのです。

 しかしその平穏もまた、虚構に終わります。ヴィクターはそもそもアベンジャーズの刺客だったのです。いずれ世界を征服するようプログラムされていたヴィクターは正義であることに飢えていました(この話はランナウェイズ本編での出来事)。

 そのため、アベンジャーズからヴィジョン家の様子見をするよう依頼された時にすぐに飛びつきました。しかし、ヴィクターの真意がヴィンにバレてしまい、ヴィンを止めようとしたヴィクターはヴィンを殺害してしまいます。

 

 ヴィンを喪ったヴィジョンは、再び、一線を超える事になります。A.I.としての思考と、家族を愛する存在としての思考、それが交じり合い、新たな悲劇を生み出します…

 流石にどうなったまでかはここでは述べませんが、そこにはヴィジョンからの一方的な愛だけではない、家族のプログラムを超えた愛と悲劇が展開されます、物悲しくも美しい崩れ行く世界が待っていました。

 

まとめ

 2ヵ月に渡り展開されたシリーズ「ヴィジョン」独特なタッチとヒーローのルールを破るストーリー展開。そしてロボット(シンセゾイド)は人間には成り得ないのか、という長年語られている主題を新たな切り口で見事に展開されました。短くドラマチックなのでアメコミ初めてでも楽しめますよ!!

 

 

ヴィジョン 2

ヴィジョン 2

  • 作者:トム・キング
  • 発売日: 2020/02/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

 

 

 

【アメコミ感想】ヴィジョン1

ヴィジョン 1 (MARVEL)

 

 

あらすじ

 人類の殲滅を目論む狂気のアンドロイド、ウルトロンの手で生み出されながらも、創造主に背を向け、正義の列に名を連ねた人造人間《シンセゾイド》ヴィジョン。最も高潔なアベンジャーとして仲間と周囲の信頼を勝ち得てきた彼は、ホワイトハウス付のアベンジャーとして首都ワシントンD.C.に転任したのを機に新たな生活を始める。首都郊外に家を求め、同じく人造人間の妻と娘、息子を迎え、《人間らしい》暮らしを送ろうと決心したのだ。

 かくして、合衆国の心臓部で働くエリート達が暮らすヴァージニア州アーリントン暮らしが始まった。しかしある事件をきっかけに彼らの生活の歯車は狂い始める。そして恐るべき悲劇がー

 元CIA議員という異色の経歴で知られる気鋭のライター、トム・キングによる、奇妙で奇抜で危険なサイコロジカル・ファミリーホラー。21世紀のマーベルコミックスを代表する稀代の傑作がついに登場!

 

本書より引用

 

概要 

 こんちは!Shoindyです!お久しぶりでございます!12月はアメコミを購入せず、今月多忙だったため、遅れに遅れての更新となりました。さて、ここ2か月の間に色々な情報が増えたMCU、その中に公開された中に新ドラマ「ワンダヴィジョン」の映像もありました。ワンダがスカーレット・ウィッチの格好をして登場したことで微妙に話題になりました。

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 そんな「ワンダヴィジョン」の元ネタになったとされる作品がこのコミックス「ヴィジョン」だったりします。ちなみにドラマ「ワンダヴィジョン」のジャンルはシットコム(シチュエーションコメディ、フルハウスとかビッグ・バン・セオリーなどのジャンル)に分類されています。そして元ネタの「ヴィジョン」は、上記あらすじによるとサイコロジカル・ファミリーホラー…もう嫌な予感しかしませんね。

 実は、本書は表紙の強烈さから、アメリカでリーフが出た時から読んでみたい作品でもありました。さらにアイズナー賞を受賞していることもあり、非常に期待が高まっている一冊でした。実際読んでみて、いつもと全く違う不気味なストーリーで非常に楽しかったです。

 

普通であるが故の異常と生まれる綻び

 「ワンダヴィジョン」の元ネタと紹介したものの、今作ではワンダの出番はほとんどありません。ワンダと結婚していたこともありますが、それは完全に別の話。今回登場するのは、ヴィジョンの人間らしさ計画の為に登場した妻と、双子の子ども達。どれがどのポジションかはタイトル画面を見ていただけると分かるかと思いますが、それぞれ家主のヴィジョン、妻のヴァージニア、長男のヴィン、長女のヴィヴという名前です。なお、長女のヴィヴは僕が好きなチームであるチャンピオンズにも参加しており、ハルク(アマデウス)とキスしたりします。カマラ差し置いてモテてますな。まぁカマラは学級委員系ですからね。

 今作の見どころはそんなヴィジョン一家が”演じる”普通にあります。そしてその普通はあくまで人間らしさが欲しいが故の演技ですので、圧倒的な違和感を孕んでいるのです。例えば、”いい人そうだね”という第一印象の表現ひとつをとっても、彼らにとっては”優しそう”と表現する場合と大きく異なります。曰く、”いい人”は皮肉を込めて表現する事があるため、第一印象の時点ではどちらにもなり得る”いい人”という表現の方が人間らしいそうです。人間はそこまで考えてないと思う(笑)

 他にも”子どもはその後には何になればいいのか”といった、人間でないからこそ描かれる疑問が描かれます。それが困惑しつつもどこか平凡を楽しんでいる節があるのがまたちぐはぐな感じですね。ご近所さんとの交流を喜びつつももらったクッキーを捨てていたりね(表面上の関係の表現ではなく、喜んでいるのにシンセゾイドであるが故にその行動に出ている)。

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 しかし、事件は起きます。それはヴィランであるグリム・リーパーの襲撃。ヴィジョンが不在の間にそれは起き、ヴィヴは損傷。ヴァージニアは必死の思いでグリム・リーパーを殺害します。しかし、ヴァージニアにとってもそれは想定外。彼女はグリム・リーパーの遺体を庭に埋め、事実を隠蔽します。ですが、その陰にはその一部始終を見る者の姿が…

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 そもそも人間らしさ、シンセゾイドらしさの定義が存在しているのかどうかすらよくわからなくなりそうですが、ヴァージニアが遺体を隠した時点で、ヴィジョン一家は人間に近づき始めたように感じます。事実の隠蔽が合理的ではないはもちろん、ヴィヴの復活の為に自身の身を危険に晒すヴィジョンや、ヴィヴをバカにされて同級生に手を出してしまうヴィンなどだんだんと人間くささが現れ始めます。ぁ、そこにはスーパーパワーが伴うのですが…

 最高に人間臭かったのはヴィジョン夫妻がヴィンの暴力により校長先生に呼び出しを喰らうシーン。

 「私はアベンジャーズのヴィジョンだ。この惑星を37回救ってきた。あなたの生活。あなたの呼吸。あなたの心臓が打つ鼓動…全て私のおかげだ。」                 ヴィジョン-校長室にて―

最高に人間くさいけど最高にヒーローらしくないセリフです。決して自分達の活躍を鼻にかけないヒーローですが、息子を守るためならば恩を売ることもやぶさかではないというヴィジョンの強い愛を感じます。

 

 

物語は後半へ

 さて、こんな不気味なヴィジョン一家の物語は、グリム・リーパーの真相をヴィジョンが知ったところで終了します。続きは翌月の発売。”人らしさ”を求めたヴィジョン一家の行く先に待つ結末とは、一体どんなものなのでしょうか…今から期待でいっぱいです!

 

 

 

【おまけ】ちなみに、グリム・リーパーがヴィジョンを襲ったのはヴィジョンの脳波にあります。ヴィジョンの脳波はワンダーマンの物を使用しており、グリム・リーパーはワンダーマンの兄です。グリム・リーパーは弟の偽物であるヴィジョンと、その一家が許せなかったため、襲撃したのです。(ヴィヴとヴィンはヴィジョンとヴァージニアの脳波を混ぜて作られた)。

 

ヴィジョン 1 (MARVEL)

ヴィジョン 1 (MARVEL)

  • 作者:トム・キング
  • 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
  • 発売日: 2020/01/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

Marvel Avengers Vision Animated Statue

Marvel Avengers Vision Animated Statue

  • 発売日: 2017/12/03
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

【アメコミ感想】ウィンターソルジャー:セカンド・チャンス

ウィンターソルジャー:セカンド・チャンス

 

 

あらすじ

 第二次大戦中、キャプテン・アメリカの相棒として戦場を駆け抜けたバッキー・バーンズ。

  ナチスドイツの降伏直前、北海に消えた彼はソビエトに回収され、暗殺者ウィンターソルジャーとして蘇った。

 幾多の任務をこなし、裏社会の伝説となった彼はかつての親友であるキャプテン・アメリカの助けで、バッキーとしての人格を取り戻したが、犯した罪への後悔の念が消えることはなかった。

 己の過去を悔いた彼は、同じく過去の犯罪と手を切ろうとする者の支援プログラムを開始するが……。

 ウィンターソルジャーの新たな旅立ちを描く最新作が登場!

 

本書より引用

 

概要

 こんちは!Shoindyです!

 今回紹介するのは11月末に発売されたウィンターソルジャー(以降バッキー)の単独誌「ウィンターソルジャー:セカンド・チャンス」です。バッキーといえばMCUシリーズでもセバスチャン・スタンが演じており非常に知名度も人気も高いキャラクターです。キャラクターとしての歴史は非常に深いものの、実際に活躍しはじめたのは割と最近だったりします(それまでは復活しないキャラクターの代表格の一人だった)。それもあってか(?)、このコミックスはかなり最近、なんと今年の上半期に連載されたコミックスなのです!爆速翻訳万歳!

 

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ドラマ化希望!バッキーと少年の再起の物語!

 さて、そんなバッキーの単独誌の物語は、彼とある少年との出会いから始まります。かつて、(洗脳されていたとはいえ)ヴィランとして殺人をも行っていたバッキーは贖罪も兼ねて、自分と同じように人生をやり直したいヴィラン(スーパーヴィランではなく、ヒドラで働いていた人など)を救うという活動を行っていました。

 そんなある日、バッキーの元に襲撃者が現れます。襲撃者は幼く、かつてキャプテン・アメリカのサイドキックを行っていたころのバッキーのコスチュームを身にまとっていました。

Captain America and Bucky: The Life Story of Bucky Barnes (Captain America (2004-2011)) (English Edition)

 

 少年はソビエトではなく、ヒドラによって引き取られ、育てられていた孤児でRJという名前でした。RJを返り討ちにしたバッキーは自信と重なる部分を感じ取り、少年を引き取ることに…

 という流れでこの物語は始まるのですが、本作の絶対の魅力はその”ドラマ性”にあります。スーパーヒーローの物語としての側面は非常に薄く、このドラマチックなストーリー展開が非常に引きこまれる物として仕上がっています。イメージでいえば、映画「ローガン」が非常に近いのではないでしょうか。

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 ローガンとは異なっている部分としては親のスタンスの違いでは無いでしょうか。ローガンは元々周囲の人間を拒絶していた人物であり、そんな中で否応なしに行動を共にする事になったローラと過ごす時間が彼の心を溶かしていくストーリー展開でした。だからこそ、ローガンがローラを愛するまでの展開と、彼女の為に身を挺する姿が感動をうみだしました。

 しかしながら、今作ウィンターソルジャーはバッキーの意思でRJを保護しています。バッキーが進んで親となっているため、心を溶かされるのは子であるRJという事になります。重要なのは、バッキーが望んで親の立場になったことで「自身の不完全さ」を噛みしめさせられるというドラマが生まれるという事。大人だってカンペキじゃないし、沢山悩んで苦しんで失敗をしているけど、それでも子を正しく導く為によく見せようとするという展開が生まれます。こういった展開は映画でもよく見受けられますが、そこに”ウィンターソルジャーとしての過去”や、”ハイドラの兵器”という暗い部分が加わったことで、他では見ることができないシリアスさやオリジナリティが生まれます。

 

まとめ

 バッキーが主人公の、ドラマチックかつ切なくやるせないコミック。ストーリーだけでなく絵もおしゃれで一気に読みこんでしまう素晴らしい作品でした。上述したように本当にドラマ向きで(スーパーパワーを持ったキャラクターが少ないので)あるため、ウィンターソルジャー&ファルコンの後でもいいから是非ともドラマ化してほしいところです。

 値段も高くないので、バッキー好きの方には超おススメでした!!

 

 

ウィンターソルジャー:セカンド・チャンス

ウィンターソルジャー:セカンド・チャンス

  • 作者:カイル・ヒギンズ
  • 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
  • 発売日: 2019/11/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

【アメコミ感想】スパイダーマン:ブランニュー・デイ2

スパイダーマン:ブランニュー・デイ 2 (ShoPro Books)

 

 

あらすじ

新たなる強敵登場!!

人気シリーズ第2弾!身に覚えのない連続殺人事件の容疑者として警察に追われる一方で、ニューヨーク市民を脅かす新たな怪人フリークが登場!さらに季節外れの大雪が街に降り積もり、それとともにマヤ文明の狂戦士が出没する。ウルヴァリンが援護に駆けつけるが!?

 

本書帯より引用

 

概要

  こんちは!Shoindyです!さて、早速ですが今回ご紹介するのは、先月”初心者でも楽しめるスパイダーマン”として紹介した「スパイダーマン:ブランニュー・デイ」の続編にあたる「スパイダーマン:ブランニュー・デイ2」です。アメコミにしては珍しくめちゃくちゃ分かりやすいタイトルですね。なお、前回の第1巻について知りたい方はこちらをどうぞ↓

 

www.shoindy.com

 

 

ブランニュー・デイ初のチーム・アップ!頼りになる味方の登場!

 さて、前回のストーリーではスパイダーマンのマスクを被った強盗にウェブシューターを奪われたこと、Mr.ネガティブの登場、ジャックポッドの登場などの展開がありましたが、第2巻ではここらへんのストーリーはいったんお預け。今回はフリークという新ヴィラン戦と、マヤの狂戦士との戦闘が描かれます。

 

フリーク編

 メインに据えられているヴィラン「フリーク」。彼はメイおばさんも働いているシェルターである”FEAST”に時折出没する麻薬中毒者のホームレスでした。しかし、ある日地下に隠されいたカート・コナーズ博士の薬を麻薬と間違え注入し、異形の怪物となってしまいます。

 出自が出自なだけありスパイダーマンはかつての宿敵コナーズ博士(今はリザードではないようです)と協力し、フリークの討伐に挑みます。

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Marvel unlimitedより引用

見た目はかなりやばいフリーク、能力も敗北するたびにさなぎに戻り、負けた原因の耐性がつくという厄介な能力。

マヤの狂戦士編

 こちらは突如始まったストーリー。必要性は謎ですがオチはかなり秀逸。このストーリーではあのウルヴァリンとチームアップ。会話の仕方的が対等な関係を匂わせていて素敵です。キャップとかアイアンマンだとスパイダーマンは下の立場感出ますからね。

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 物語としてはマヤの強力な敵相手に戦っていたスパイダーマンが、助けたホームレスのバーンに助けられて危機を乗り越えるというもの。たったそれだけなのですが、素晴らしいのはその結末。ピーターに戻った後、いつもの事ながら金欠に苦しむピーター。そこでふと、ピーターはバーンを見かけます。手には”スパイダーマンと一緒に世界を救いました。お恵みを”という看板。人々が当然バーンを無視するなか、ピーターはなけなしのお金全てをバーンに譲ります。たったこれだけの1ページ程度の部分なのですが、ピーターらしさが前回で非常に素敵でした。

 

まとめ

 メインストーリーの進行は緩やかながら随所にスパイダーマンの魅力が詰まっている第2巻。次回はあのスクリューボールも登場とのことでこの先にも期待が高まります。なによりこのシリーズは絵がめっちゃ好み!調べてみるとPHIL JIMENEZ氏という方らしいです。まだアーティストはあまり詳しくないのでまた新たな魅力が発見できて良かったです!

 

 

スパイダーマン:ブランニュー・デイ 2 (ShoPro Books)

スパイダーマン:ブランニュー・デイ 2 (ShoPro Books)

 

 

 

 

【アメコミ感想】マーベルライジング

マーベルライジング

 

 

あらすじ

 アルバイトでプログラムの授業を受け持ったスクイレルガールと、その授業を選択したMs.マーベル。

 互いの素性を知らぬまま出会った二人のヒロインは、突然の事件を通して深めていくのだが……。

 アニメ『マーベルライジング』の原案となる、新感覚のヒーローコミック!

 

本書より引用

 

概要

 こんちは!Shoindyです!今回紹介するのは以前紹介したアニメ『マーベルライジング』の原案となるコミック「マーベルライジング」です。アニメと違ってアース-616が舞台であり、メンバーもアニメより少ないMs.マーベル、スクイレルガール、アメリカ・チャベスインフェルノの4人だけ(第二弾ではマイルスやクエイクも参戦するようです)となっています。

 本書の解説によると今作はMCUの存在の影響を大いに受けた一作となっています。メンバーが全然MCUと絡んでいないのに何が?とお思いかもしれませんが、実はそういう事ではなく、もっと広域に影響を受けているのです。

 MCUの公開とヒットにより、マーベルは映画やファッションはもちろん、コミックにも注目されるようになりました。それまでの30~40代の男性がターゲットだったコミック市場にも見直しが必要になり、若い世代や女性にも受け入れられるコミックの発行が要させることになりました。そこで作り上げられたのがこのマーベルライジングなのです。

 

テーマも現代風。孤独と電脳

 そんな今作は学校が舞台となって繰り広げられます。学校といっても恵まれし子ども達の学園だったりアベンジャーズアカデミーといったスーパーパワー持ち専用の学校という訳では無く、本当に普通の学校。Ms.マーベルもカマラ・カーンとしての一生徒として学校にきているだけですし、スクイレルガールもドリーン先生として教鞭をとっているだけです。完全に偶然。ちょっとカマラの学園生活が映るのですが、遅刻常習犯で学業とヒーロー業を兼任に苦心しているあたり一昔前のピーターを彷彿とさせられてなんだかほっこりします。

 

 

テーマはゲーム世界

 今作のヴィランであるエミュレーターの能力はゲームの世界を現実に持ち込むことが出来る能力。ゲーム世界アイテムはチョコボっぽかったりゾンビだったりMMORPGだったり…スカイスクロールなるエルダースクロールなものだったりとゲーム好きならニヤニヤできるパロディに溢れています。ゲーム好きのカマラ・スクイレルガールとゲームに詳しくないインフェルノアメリカ・チャベスの反応の差が見ていて面白いです。

 

ネットの危険性

 今作のヴィランエミュレーターことエンバーはカマラと同じドリーンのクラスに通う生徒…しかし、彼女はいつも孤独です。引っ越しが多かったため学校に仲のいい友人はおらず、唯一心を許せるのはネット上の本名も顔も知らないどこかの誰かだけでした。エンバーは彼の言葉に唆されるがままにヴィランとしての道を歩んでしまいます。エンバーもまた被害者なのです。エンバーがスーパーパワーを持っているだけで、これは今の現実でも起きうる問題ですよね。ネットリテラシーをテーマに扱っている辺りターゲット層が若者であることがよくわかります。真犯人のチョイスも上手いです。

 唯一エンバーにとって救いだったのは、カマラがいてくれたこと。エンバーのスーパーパワーはテリジェン・ボム由来のインヒューマンとしての能力。カマラと全く同じ境遇であったからこそ、カマラはパワーに対する不安や混乱を理解でき、エンバーに寄り添う事ができました。孤独というのは案外簡単に忘れられるものです。

 

まとめ

 最近の若者をターゲットにしているだけあって、端々から“イマドキ”を感じる一冊になっているだけでなく、意識的に初心者向けに作られていることが感じられる一冊でした。今回解説書をほとんど開かなかったです。それくらい易しい。次巻から登場するクエイク、彼女はアニメ版ではシークレット・ウォーリアーズのリーダーとして立ち上がって終了するのですが、コミックではどうなるのか非常に楽しみなところです!

 

マーベルライジング

マーベルライジング

  • 作者: デビン・グレイソン,ライアン・ノース,G・ウィロー・ウィルソン,マルコ・フェイラ,ジョージ・ドゥアルテ,ロベルト・ディ・サルボ,アイリーン・ストリカルスキー,ラモーン・バッハ,御代しおり
  • 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
  • 発売日: 2019/10/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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【アメコミ感想】スパイダーマン:ブランニュー・デイ1

スパイダーマン:ブランニュー・デイ 1 (ShoPro Books)

 

 

あらすじ

『ワン・モア・デイ』事件によってピーター・パーカーの世界は一新された。次々と現れる新たな強敵、非合法のヒーローとして市民からムいけられる敵意・・・・・・しかし、どんな困難が立ちはだかろうと、今日もスパイダーマンは大いなる責任を果たすために立ち向かう!!

 

本書帯より引用

 

概要

 こんちは!Shoindyです!

 シークレット・ウォーズでマーベルユニバース全体の翻訳に一区切りついたこともあり、ずっと買おうと思いつつ中々機会に恵まれなかったスパイダーマンの単独誌「ブランニュー・デイ」を購入することができました。単独誌というと、やはりクロスオーバーには及ばないと考えていたのですが、正直今まで買わなかったことを後悔するくらい面白かったです。スパイダーマン好きは必読でしたね、お恥ずかしいです。

 

物語の背景

 さて、今作の背景にはMCUにもなった一大事件シビル・ウォーが存在しています。コミックスのシビル・ウォーでは、スターク派閥に所属していたスパイダーマンは、登録法に加入する者のアイコンとして、いち早く、かつ大々的に自身の正体を明かしました。しかし、やがてスパイダーマンはスタークのやり方に疑問を感じ始め、キャップ派へと鞍替えします。

 正体を明かしても安全でいられたのは、あくまでスターク派閥に所属し、メイおばさんやMJ共々スタークの保護下に置かれていたからです。結果、ピーターに恨みのあるヴィランの凶弾によりメイおばさんは倒れてしまいます。

 そこで起きたのが『ワン・モア・デイ』事件。メイおばさんを救うためあらゆる手を試し、失敗し続けてきたピーターが最後に行き着いたのは悪魔メフィストの元でした。ピーターはメイおばさんの命+自身の正体と引き換えにMJとの結婚をなかったことにし、かつ生まれてくる未来があった二人の娘の存在を捧げたのでした。こうして独身の今までのスパイダーマン生活に戻ったのが「ブランニュー・デイ」なのです。

 

 

スパイダーマン:ワン・モア・デイ (ShoPro Books)

スパイダーマン:ワン・モア・デイ (ShoPro Books)

 

 

求めていた”スパイダーマン”を感じる事が出来る傑作!

 今作の最大の魅力、それは何といっても”スパイダーマンの物語”であるということです。スパイダーマンの単独誌なんだから当然だろ、という話ではあるのですが、普段クロスオーバーメインで読んでいると忘れてしまいがちな要素だったりします。それに、どうしても難解になりがちなクロスオーバーと違って物語がシンプルであることも魅力であり、改めて「あぁ、アメコミ面白いなぁ」としみじみと感じます。

 さて、ではスパイダーマンの物語とは何を指すのか、具体的に説明していきましょう。

パーカー・ラック

 スパイダーマンといえばやっぱりこれ。不幸のマグネットピーター・パーカーの才能である超不幸体質。クロスオーバーでは点在的に描かれることはなく、デカい一発だったりすることが多いですが(ハウス・オブ・Mの記憶があるなど)、単独誌となると点々と小さな不幸が描かれており。あぁ、これぞスパイダーマンの世界だよなぁ、と感じる事ができます。例えば、メイおばさんの誕生日に暴走車が現れて、そんな時に限って正規のヒーローがいなかったり、そのために蜘蛛糸で隠しておいたバースデーケーキが一時間経たないと剥がれなかったり…正にピーターの物語ですね。

 

日常生活の悩み

 我らが親愛なる隣人が人々に愛された理由ですね。スパイダーマンの一番の魅力はその人間臭さです。ヒーローでありながら、悩み多き青年である事が共感を得て、好かれるのです。ブランニュー・デイで一新された世界ではピーターはメイおばさんと一緒に生活しています。しかしいい加減独り立ちしないといけないと思い悩み、仕事を探すものの雇ってもらえなかったりする共感性の高い悩みがピーターを襲います。

 

初心者にもおススメ!メインストーリーが入り込みやすい!

 さて、そんなスパイダーマンの一新された世界、一新された事も一端を担っており非常に初心者向けの作品となっております。しかし、それだけだは無く、もう一つ、初心者に優しい一面があります。それは、”あのPS4スパイダーマンの元ネタ”という面。

 

【PS4】Marvel's Spider-Man

 

 具体的にはメインストーリーのヴィランがMr.ネガティブである事、メイおばさんがシェルターで働いていること、悪魔の息が登場することなどでしょうか。流石にセーブルはいませんし、コミックスではジャックポッドという正体不明のヒーローが登場しておりますが、それでも非常に入り込みやすいのではないでしょうか。

 

まとめ

 ボリュームも丁度良く、巻数表示もされており、さらには設定が一新されているという正に”誰が読んでも楽しめる”一冊であるブランニュー・デイ。スパイダーマン好きは必読の一冊です!是非一度、手に取ってみてはいかがでしょうか!!

 

 

スパイダーマン:ブランニュー・デイ 1 (ShoPro Books)

スパイダーマン:ブランニュー・デイ 1 (ShoPro Books)