新米の一歩目

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決して目をそらしてはならない歴史の事実

アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち(字幕版)

 「アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち」(原題 THE EICHMANN SHOW) 主演 マーティン・フリーマン

 

  第二次世界大戦…数々の悲劇を産んだこの大戦は5千万人もの死者を生み出した。そして、そのうちの600万人はユダヤ人だった。

  そして、そのユダヤ人の虐殺の計画を進めた人間こそがナチ親衛隊の将校ルドルフ・アイヒマンである。

  アイヒマンは米国軍からの拘束を逃れ、逃亡生活を続けていたが、やがてイスラエル諜報機関によってブタペストで囚われることになった。それは終戦から15年後の事であった。そして、エルサレムにおいてアイヒマンを裁く裁判が開廷されることになった。

 

  テレビ局のプロデューサーであるミルトン・フルックマンはそんなアイヒマンの裁判をテレビで放送するため、アメリカのドキュメンタリー監督レオ・フルヴィッツを呼び寄せ、有能なスタッフ達と共にチームを組む。裁判の放送を実現する為には様々な困難が待っていた。しかし数多くの困難を乗り越えた先に訪れた裁判もまた、一筋縄ではいかないものだった…

 

  *この映画を観る際は、精神的に安定している状態での視聴をお勧めします。しかし、今作で映し出される数々の映像は歴史の事実です。是非一度は、作品に触れ、考える時間を設けてください。

 

  実話を基に作られた作品「アイヒマン・ショー」です。

  ルドルフ・アイヒマン…皆さんは、この男をご存知でしょうか。

 

アイヒマンはナチの党員でユダヤ人移送のスペシャリストとして頭角を表した男。数えきれないほどのユダヤ人をガス室に送りました。今作でも描かれるアイヒマン裁判はあまりにも有名ですよね。思想が悪であった訳では無く、ただただ上官の命令に従っていただけのアイヒマンは果たして悪なのか。僕が通っていた大学でも教授からそんな話を聞いたのを覚えています。

 

  今作の特徴は実際の映像が数多く使われているところ、前半こそはほとんど使われていませんが、裁判が始まると実際の裁判の映像が数多く映し出されています。

  裁判が始まると、生き残ったユダヤ人の数々の証言がアイヒマンに投げられます。外は寒いからとガス室に入れられた話、自ら掘った墓に数多くのユダヤ人が棄てられた話…登場人物も視聴者の我々も心苦しくなるような訴えですが、アイヒマンの表情は一向に変わりません。アイヒマンにとっては、これらの物語と自身の行動は別物なのでしょうか。そして、物語終盤になると、収容所での実際の映像が展開されます。本当に同じ人間なのかと目を疑うほどにガリガリに痩せ細ったユダヤ人を連れ立って歩くナチス党員、そのガリガリユダヤ人が幾重にも重なって棄てられているシーン、それらの遺体の山がトラクターで処理されているシーン……正直、物凄く気分が悪くなります。生存者の話も心苦しいものでしたが、実際の映像が与える衝撃は尋常ではありませんでした。何度も目をそらしたくなるようなものでした。

 

  これが本当に行われていたのかと思うほど信じられない映像は、本来は全人類が知っていないとならない事柄です。ユダヤ人虐殺の全ての始まりは見た目や思想の違いからでした。作中でも問われますが、自身の心に問うてみましょう。あなたは(僕は)1度も見た目や思想の違いから相手を見下したことはありませんか?