新米の一歩目

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あるクリスマスの、人々の織り成す苦い人生

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コネチカットにさよならを」(原題 The Land of Steady Habits) 主演 ベン・メンデルソーン

 

 金融マンのアンドレアスは妻を、仕事を、ライフスタイル全てを捨て、自由を手に入れた。つまらない欲にまみれた人間たちとの関係を一新したのだ。しかし、いざ自由になってみると、やりたいことは見つからず、どうにも気分が晴れない。

 元妻ヘレン、彼女の開いたクリスマスパーティーで出会った若者チャーリー、息子のプレストン…様々な人間関係を通して、アンドレアスが手にしたものは…

 

 

 Netflixオリジナル映画「コネチカットにさよならを」です。原題「The Land of Steady Habits」と同名の小説が原作となっております。

 

 

The Land of Steady Habits: A Novel (English Edition)

The Land of Steady Habits: A Novel (English Edition)

 

 

 さて、一応コメディというジャンル分けをされている本作ですが、正直コメディ要素はないです。なんでヒューマンじゃないんだろう。今作ではアンドレアスを中心としたある冬の出来事が淡々と描かれています。

 正直、今作のあらすじをどう書くか非常に悩みました。というのも、主人公アンドレアスには明確な目的が無く、何も無くなってしまった日常に葛藤しもがく様が描かれているからです。Netflixのあらすじなどには"幸せを探すのは~"って書いてあったりしますが、アンドレアスが何か新しい事を始めてみたりするようなことはなく、ヘレンに譲った家に残っていたローンの工面をどうするか悩んだり、27にもなって独り立ちしないプレストンを案じたりと、平凡かつ受け身なストーリーが展開されます。

 

 ”人間”を感じる1作

 今作に登場する人物は皆非常に”人間臭い”です。ヘレンは(当然ですが)アンドレアスを嫌っていますし、チャーリーの両親でヘレンの友人であるアシュフォード夫妻もまた、アンドレアスを嫌っています。一方チャーリーは麻薬をやってても咎めず、自分の才能を認めてくれていたアンドレアスを信頼していましたが、それもまた、アシュフォード夫妻が彼を嫌う原因になっていました。皮肉なことに、チャーリーをより理解していたのはアンドレアスですけどね。ちなみに、チャーリーの才能とは彼が書いているイラスト小説のこと。ソ連時代に宇宙に打ち上げられた”ライカ”を主人公にした物語なのですが、断片的に語られている部分だけでもかなり才能を感じるものとなっています。

 

 まぁ、何が言いたいかというと、今作では”人間関係”を重視して描かれています。アンドレアスが離婚したことで皆感情の枷がいい具合に外れているので、理解しやすく描かれているのも特徴的ですね。そんな人間関係が織りなす物語の終着点は…正直、終着と言うにはほど遠いです。でも、ずっと人間臭さが描かれているため、そこに不満はありませんでした。だって登場人物の人生はまだ続きますから。

 人生の一部分だけを覗き見ているような感覚になる一作です。