新米の一歩目

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これが現代の西部劇だ!

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「バスターのバラード」(原題 The Ballad of Buster Scruggs) 出演 ティム・ブレイク・ネルソン

 

荒唐無稽なものから深遠な話まで、コーエン兄弟ならではの味わいあふれるアンソロジーアメリカ西部を駆け抜けた無法者や開拓者たちの6つの冒険物語。

 

Netflixより引用

 

 Netflixオリジナル作品で6つの短編を描く西部劇「バスターのバラード」です。バスターのバラードは6つのうちの初めの物語というだけでそれぞれ繋がりはなく、どれがメインという事もありません。スリラーとコメディの見事な融合を描くことで多くのファンがついているコーエン兄弟が監督しており、さらに25年もの年月をかけて執筆された(情報元:コーエン兄弟の新作西部劇、執筆に25年!製作秘話を明かす - シネマトゥデイ)という事で、非常に高い評価を得られています。

 西部劇というと、渋いカウボーイの無情感ただよう物語…というイメージが強いですが、今作は本当に多種多様。むしろテンプレートのカウボーイ要素は少なめです。しかし、それでも十分西部劇しています。

 

 では、今作で語られる6つのストーリーを紹介しましょう。

 

 

 

1.バスターのバラード

  カウボーイのバスターは陽気な男だ。道中を歌い、明るく旅をする。しかし、それでいて無法者でもあるのだ。ある日、バスターは立ち入ったバーでゲームを抜けた男の代わりにポーカーをすることになる。しかし男から引き継いだ手札は最悪なものだった。それでもその手でゲームを続けるように脅すゲームの相手達…バスターの無法者としての心に火が付く。

 

 カメラに向かって話しかけてきたり、軽い口調ながらも残忍性を隠そうとしないその様はどっかで見た事ある赤タイツを連想させました。

 

 

 

 

 そんな軽めな雰囲気から始まるのに関わらず、命もまたあまりに軽く、現実は非情であることから、あくまで西部劇であって、ファンタジーではないんだな、という事を痛感させられる一本となっています(まぁ、そんなことを言いつつもこのストーリーが一番ファンタジーしてるんですけどね)。

 

2.アルゴドネス付近

 ある郊外に佇む銀行。そこに一人の男が強盗に入る。銀行員はたった一人の老人、簡単に終わるはずだった…しかし、男は油断した。老人の反撃により気絶した男が目を覚ますと、クビに縄がかけられていた。どうやら絞首刑にされるようだ。だが、男の奇妙な運命の歯車が回り始め、思わぬ人生を辿る事になる。

 

 銀行強盗をした男の物語。どれも傑作揃いの今作ですが、この話は唸ってしまうほど巧く出来ていました。シンプルでありながら教訓めいてもいて、どこか皮肉めいてもいる一本です。

 

3.食事券

 四肢の無い男ハリソンと老人。2人は街から街を巡り、そしてハリソンがシェイクスピアなどを語ることでおひねりを貰って生きていた。しかし、街をめぐるにつれ、観客は、おひねりは減っていった。そんなある日、老人は他の行商人が人気を得ていた”計算できる鶏”を買い取る機会に恵まれる…

 

 ストーリーの中で一番胸糞悪い1本です。二人の会話はほとんどなく、殆どのセリフがハリソンの朗読で展開するのが特徴的。しかしそれでいて、時折差し込まれる2人の生活から”2人の仲がいいわけではない”という事が読み取れるのが素晴らしいです。

 

4.金の谷

 ひたすらに金を探し続ける老人。長い長い時間の末、老人は大きな金を掘り当てる。

 

実は、これまでのストーリーには”ある共通点”がありました。ストーリー間のつながりは無いのですが、物語の展開として、共通点があるのです。しかし、このストーリーだけはその共通点を無視して描かれます。これがかなりの特徴。ちなみに、登場人物が最も少なく、”雰囲気”が最も重視されているのもこのストーリー。男が手巻きタバコを吸うシーンなんてかなりたっぷり時間を使われており、男と一緒に余韻を感じることができます。

 

5.早とちりの娘

 アリスと彼女の兄ギルバートは新天地オレゴンを目指していた。しかし、道中兄が死んでしまい、兄だよりだったアリスは途方に暮れてしまう。

 しかし、そんな時にキャラバンのビリー・ナップとアーサーが彼女に手を差し伸べてくれた。やがてビリーとアリスは良い関係になり、2人は結婚の約束を取り付ける。

 そんな折、キャラバンから外れてしまったアリスと彼女を追ってきたアーサーの前にコマンチ族が立ちふさがる…

 

 やるせないNo1ストーリー早とちりの娘です。タイトルが全て。アリスがもうちょっと状況を見極められる事が出来れば幸せになれたのに。アーサーのやるせなさが半端じゃないです。でも一番西部劇っぽい終わり方かも。その後を語らないみたいな。

 

6.遺骸

 馬車に5人の男女が乗っている。彼らは口々に自分の話をする。やがて彼らは気づく。自分たちの真実と、馬車の真実を。

 

 ただひたすら馬車の中で会話を繰り広げられるだけなのですが、上述した”共通点”を考えると、共通点の行きつく先になっているという仕掛け。巧みです。

 

と、これが6つのストーリーの概要と感想です。それぞれ全然違うし、ストーリーの長さもまちまちなのですが、どれも惹きつけられる出来栄えです。西部劇って減ったけど正直なんで下火になったのかわからないくらい素晴らしいものでした。これは高い評価を得ているのも納得ですね!

 

 

 

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