新米の一歩目

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正直になれない者達よ。かっこ悪くても感情をさらけ出せ。

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「パドルトン」(原題 Paddleton) 主演マーク・デュプラス

 

 

あらすじ

 ある日癌であることを宣告されたマイケル。彼は死を前にして自ら最後を迎える事を決意する。そして彼は近所に住む親友アンディにその手助けを求める。

 

概要

 Netflix最新のヒューマンドラマ「パドルトン」です。恋人ではないけれどかなり親密な親友同士の中年男2人の過ごす最後の時間を描きます。

 「パドルトン」とは2人の考えたゲームの名前。パドルボールを壁あてして樽に入れるとかなんとか。

 今作では始めに二人の仲の良さを描いてから癌が発覚するのではなく、冒頭でいきなり癌が発覚するため、二人の関係を伝えるためほとんどのシーンが2人で一緒にいるシーンとなっています。

 手助けというのは致死薬を一緒に取りに遠出したりってことですね。

 

男同士の”下手くそ”な思いやりが泣ける

 いかにも枯れた2人のオヤジが主人公の本作。作中の言葉を借りれば”冷蔵庫に遺体を隠してニュースに出るような奴”なだけあってカッコいいとか、魅力的なんて感情は到底湧きません。顔中には無精髭、やってることと言えば毎晩カンフー映画を見てピザを食べているだけ。そんな2人です。

 しかしそんな2人でもそこにある絆は本物です……本物…なんですけど、ほら、あのさ、世のおじさん達ってさ、感情を表現するのめっちゃ下手じゃん?素直に喜んだり悲しんだりすれば良いのにめっちゃ強がるやん?そう、マイケルとアンディも正にそれ。マイケルは死を恐れているはずなのに微塵もそんな素振りを見せないし、アンディも悲しくて仕方がないのに全然平気みたいにふるまいます。でもそんなんだから、突然マイケルがいなくなった時のアンディの焦る姿だったり、致死薬の入った金庫を持って行ってしまおうとしたりするその姿が、本心が出たその瞬間が本当に悲しみに溢れています

 

正直である事に美しさを感じる

 上述した通り、感情出すの下手くそマンな2人だからこそ、心に正直になったその瞬間に魅力がギュギュっと詰まっている本作。アンディはまだマシなんです。上述した行動を取ったりしますから。ちょっと突っ込まれるとまた何でも無いフリはするものの、彼を全然知らない視聴者ですら分かるほどに分かりやすいのですから、きっとマイケルにも伝わっています。

 でもやっかいなのはマイケル。苦しいはずなのに、怖いはずなのに、全然それを出しません。物語終盤では病から横になっているシーンが多く続くものの弱音を吐きはしません。だからこそ、ラストシーンは美しいのでしょう。それはわかります。ここまでの流れありきでこの物語は成り立っています。でもね、現実は物語ではありません。視聴者はいません。感動させる必要はありません。つまり何が言いたいかというと、絶対後悔するから感情に正直になれと、そう言っておるのです。体裁なんて気にしちゃダメです。

 

まとめ

 奇跡なんてない哀しい現実を描いた感動のヒューマンドラマ「パドルトン」。男女の愛ではなく男同士の関係なのが最近の作品であることを強く実感できるものとなっています。しかし今作を通して感動に必要なのは男女の愛じゃなくて”人と人の愛”であることがよくわかります。

 感情に正直に生きようと思える一作です。